携帯電話機のRF回路の実装面積削減に向け,半導体メーカーの取り組みがますます活発になってきた。

 米Freescale Semiconductor,Inc.は2007年2月5日,W-CDMAおよびEDGE方式の携帯電話機に向けた世界最小級をうたうRF回路向けチップセット「RFX300-30」を発表した(発表資料)。RFトランシーバICおよびアナログ・ベースバンドICを実装したモジュール「MMM7210」と,パワー・アンプおよび各種受動部品を組み込んだパワー・アンプ・モジュール「MMM6038」で構成する。マルチバンド対応の携帯電話機に向ける。

 Freescale社は,EDGE方式の携帯電話機向けに,実装面積低減をうたうチップセットを投入したばかり(Tech-On!の関連記事)。なおFreescale社は,2007年2月12日からスペインのバルセロナで開催する「 The 3GSM World Congress 2007」で関連する製品を出展する予定。

最大7.2Mビット/秒のHSDPAに対応

 RFX300-30は,クアッド・バンド(4バンド)のGSM/EDGEに対応するほか,世界で利用されているW-CDMAの9バンドのうち4バンドを任意に選択して利用できる。計8バンドまでに対応した携帯電話機を実現できる。世界の多くの地域で販売する携帯電話機の,プラットフォーム共通化に寄与できるという。

 W-CDMAの下りリンクのパケット伝送を高速化する「HSDPA」に関しては,最大7.2Mビット/秒のモードに対応している。さらに上りリンクのパケット伝送を高速化する「HSUPA」に関しては,最大5.76Mビット/秒のモードに対応した。

 デジタル・ベースバンド回路とのインタフェースはDigRF規格に準拠する。現在サンプル出荷中であり,量産出荷は2007年第4四半期の予定。