キヤノンの元従業員が職務発明の対価の支払いを求めて同社を訴えていた裁判で,2007年1月30日,東京地方裁判所はキヤノンに3352万円の支払いを命じる判決を下した(Tech-On!関連記事)

 裁判は,1968年から2002年までキヤノンに在籍していた元従業員が,2003年10月20日に提起したもの。対象の特許は,レーザ・プリンターなどで用いるレーザ走査光学系の機構に関するものである。原告側は,対象特許がキヤノン製品だけでなく包括ライセンス契約により他社製品にも広く利用されていると主張し,「相当の対価」の一部として10億円の支払いを求めていた。

キヤノンは控訴へ

 キヤノンは今回の判決について,「誠に遺憾。今回の判決が示した計算方法は,包括ライセンス契約における対価の算定で,当社の主張した算定法を一部採用した点では評価できるが,その前提となる本件特許の技術的範囲の解釈などに納得できない点がある」として,控訴する考えを示した。