キヤノンと東芝のSED合弁解消――落胆する姫路
キヤノンは先日,SEDパネルに関する米社との特許訴訟の早期解決に向けて,東芝との合弁会社だった「SED」を完全子会社にすると発表した(関連記事)。これにより,同社には山積みの難題が課せられた(日経エレクトロニクス2007年1月29号 p.35に関連記事)。東芝の姫路工場に建設予定だった本格量産工場の代わりとなる候補地を検討・確保し,数千億円にも及ぶ投資を一手に背負う必要が出てきたためだ。キヤノンは現時点で「新たな量産工場の候補地やスケジュールは未定」(同社 広報部)としている。
しかし,今回の問題に頭を悩ませているのはキヤノンや東芝だけではない。量産工場が建設される予定だった姫路の地元企業にも大きな影響が及ぶ。量産工場の誘致によって,地元では雇用拡大や税収増などのさまざまな経済波及効果を期待していたからだ。姫路商工会議所は「地元企業への波及効果を期待していたので,量産計画が見直されることになったのは非常に残念だ。今後は,東芝・姫路工場において何らかの事業展開が行われるよう行政と連携を図り要望していきたい」とのコメントを発表した。
SEDの量産工場が建設されるはずだった予定地は今,「土壌改良工事も終わり,完全な更地になっている」(ある関係者)という。東芝はこの敷地の使途について「SED工場の計画が白紙になったばかりであり,現時点では何も決まっていない。ただし,これだけの土地で何もしないことはない。今後,検討を進めていく」(同社 広報部)とした。
SEDは2004年の事業化発表のあと,消費者を含めさまざまな関係者が抱いた期待にまだ応えていない。まずは,今回キヤノンが発表した通り,同社の平塚工場で生産したパネルを用いたSEDテレビをキヤノンと東芝が2007年第4四半期に確実に発売することが,必須の命題といえるだろう。
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