「デジアナ」としても活躍するNHKの島津有理子アナウンサーが,新たに立ち上げたWWWサイトをPR
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発表会の場で,海賊版の実例を見せた
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 NHKや民間放送事業者,機器メーカーなどが会員として名を連ねる地上デジタル放送推進協会(略称:D-PA)は,インターネット上のオークション・サイトにおけるテレビ番組の違法流通への対策を始めることを発表した。D-PAに新たに設置した「放送コンテンツ適正流通推進連絡会」が,オークション・サイトの監視を行うとともに,違法流通の情報提供窓口となるWWWサイトを運営していく。

 テレビ番組をDVDなどの媒体に記録してオークション・サイトで販売する事例は「在京キー局が把握しているだけでも年間1万件以上」(テレビ朝日 取締役の大塚隆広氏)であり,「放送事業者が海賊版に対して強い姿勢で臨むことを示す取り組み」(大塚氏)と位置付ける。

まずは「Yahoo!オークション」を対象に

 オークション・サイトの監視業務は,コンピュータ用ソフトウエアの違法流通対策の経験を持つコンピュータソフトウェア著作権協会(AACS)に委託する。放送事業者は,テレビ番組の違法流通と考えられる条件をD-PAに提出し,各社が出した条件をD-PAがまとめてACCSに渡す。ACCSはこれを基にオークション・サイトの出品を調査し,オークション・サイトの運営者に削除を依頼する。当初は「Yahoo!オークション」を対象に監視を行う。既にACCSとヤフーは,出品の削除の基準について合意書を交わしており,ACCSがヤフーに削除を依頼した出品が削除基準に合うようであれば,ヤフーが出品を削除する。

 放送コンテンツ適正流通推進連絡会は,新たに設置したWWWサイトに,テレビ番組の違法流通に関する情報を一般視聴者などに入力してもらうための画面や,テレビ番組の著作権に関する情報を提供するページを用意した。情報受付画面では,オークション・サイトにおける違法流通だけでなく,動画共有サイト「YouTube」や,データのアップロード・サイトなどにおける違法流通の情報も書き込めるようにした。ただし,「YouTubeやアップロード・サイトに関する情報については,放送事業者や著作権者に提供する」(放送コンテンツ適正流通推進連絡会)だけである。「今回のYahoo!オークションに関する海賊版の監視・削除の流れと同様のものを,他のオークション・サイトや,画像アップロード・サイトにも広げていきたい」(同連絡会)とする。