フィンランドNokia Corp.の2006年10月~12月期決算は2ケタの増収増益となった(発表資料)。売上高は前年同期比13%増の117億100万ユーロ,営業利益は同11%増の15億1900万ユーロだった。携帯電話機の出荷台数は同26%増で過去最高の1億600万台に達した。同社の推計によると市場シェアは直前四半期から2ポイント拡大して36%になった。

 携帯電話機の平均販売単価は,前年同期の99ユーロに対して89ユーロまで下落した。中東アフリカ地域やアジア太平洋地域など,新興市場向けの出荷比率が増しているためだ。地域別に出荷数量をみると,前年同期比の成長率が最も大きいのはアジア太平洋地域で60.1%,これに中東アフリカ地域が53.7%,中国が50.5%で続く。

 単価は下がったが,コスト削減などに努めた結果,携帯電話機事業の営業利益は前年同期を約2割上回る12億5700万ユーロとなり,全社の利益率を牽引している。

 同社は,今後も新興市場向け需要の増加で単価の下落は続くとみるが,2007年も市場シェアの拡大を主眼に置いた事業戦略を採るとしている。携帯電話機の世界市場規模を同社は2006年の9億7800万台(同社推計)に対し,2007年通期は10%増と予測している。

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