英国の通信事業者大手であるBT Group plc.は,2007年春に携帯電話機から街角の無線LAN経由で電話がかけられるサービスを始める。フィンランドNokia Corp.,米Motorola,Inc.,韓国Samsung Electronics,Co.,Ltd.の無線LANと携帯電話のデュアル端末を利用する。

 今回のサービスは,BT社が2005年6月に開始した携帯電話と固定電話の融合サービス「BT Fusion」の新メニュー。従来は,Bluetoothの通信機能を持つ携帯端末が,自宅の外では一般の携帯電話機,自宅のBluetoothのアクセス・ポイントの通信範囲ではコードレス電話機として利用できる,というサービスだった。

 今回の新メニューは,その無線LAN版。BT社が自宅向けに提供または街角で運営する無線LANのアクセス・ポイントの通信範囲では自宅でも自宅でなくても,携帯端末を一種のコードレス電話機として利用できるというもの。加えて,端末からWebサイトへのアクセスも可能になる。BT社は英国の各都市に無線LANのアクセス・ポイントを設置しており,現時点で約1万カ所に達する。2008年3月までに英国の主要12都市の中心街を面的にカバーする計画も進めている。無線LANサービスのない場所では,一般の携帯電話機として利用できる。

 サービス開始当初に利用できる端末は,「Nokia 6136」「Motorola A910」「Samsung P200」の3機種。無線LANを通す場合の通話料金は固定電話料金の1/4となる。具体的には,料金プランや通話先にもよるがおよそ5円/分~25円/分。Webサイトへのアクセスは無線LAN経由の場合は,無料である。