キヤノンは,東芝と共同出資のSEDパネル事業の子会社であるSED(神奈川県平塚市)について,2007年1月29日に株式を100%取得すると発表した(発表資料Tech-On!関連記事)。東芝はSED株式をすべてキヤノンに売却する。キヤノンと米Nano-Proprietary, Inc.との特許係争が長引いており,解決を図るために株式売却を決めたという。

 SED関連技術のライセンス元であるNano-Proprietary社との訴訟の争点は,SEDがキヤノンの子会社かどうかという点にあった。キヤノンは東芝より出資比率が大きいため,SEDはキヤノンの子会社であり,キヤノンが受けたライセンスをSEDに移せると主張していた。今回,SEDを100%子会社とすることで係争の早期解決を目指す。

SEDテレビは両社から予定通り発売

 東芝は,同社から出向している現SED社長の福間和則氏をキヤノンに移籍させるとともに,現在SEDに出向中の技術者200人については出向を継続させる。SEDパネル事業はキヤノンのものとなったが,SEDテレビは従来の計画通り,東芝からも2007年第4四半期に国内で発売する予定だ。

 SEDパネルの量産工場は東芝の姫路工場に建設予定だったため,今後,キヤノンは工場の建設からSEDパネル量産体制の見直しを進める。