米Macrovision Corp.は,ネットワーク家電向けミドルウエア・ベンダの米Mediabolic, Inc.を買収した(発表資料)。Macrovision社は,Mediabolic社を買収するため約4350万米ドルの現金を支払った。Macrovision社の狙いは,家庭内ネットワークの端末まで完結したコンテンツ配信システムを実現すること。同社のCEO,Fred Amoroso氏は「長い間,構想していた,物理的なメディアから電子データへのコンテンツ配信のシフトがついに実現する。コンテンツの保有者が配信システムを完成するために,Mediabolic社の技術は重要だと考えた」と語る。

 Amoroso氏によると,Macrovision社のコンテンツ保護技術や運営中のゲームなどのコンテンツ配信システム,デジタル・コンテンツ管理の技術を今後,Mediabolic社のミドルウエアと組み込む予定という。「2010年までには,一般のユーザーは4Tバイトのデジタル・コンテンツを保有するようになると見込んでいる。こうなるとコンテンツ管理やインデクスの技術は不可欠」(Amoroso氏)。さらに,Macrovision社が保有する4億米ドルの現金や数カ国に設置済みの同社のインフラ,コンテンツ保有者との密接な関係によって,Mediabolic社の事業が現在より強固なものになるという。

 Macrovision社は特にコンテンツ保護技術のメーカとして知られている。従って,今回の買収によりMediabolic社のミドルウエアのコンテンツ保護機能を強化すれば,コンテンツ保有者に対してより魅力のある製品を提供できると考えているもようである。この点について,Amoroso氏はMacrovision社は主に携帯端末向けに配信するコンテンツに適した「OMA DRM 2.0」に関連する特許を保有すると主張するし,こうしたコンテンツ保有技術をMediabolic社の製品に取り組む予定があるという。