英語版Wiiの文字入力画面
英語版Wiiの文字入力画面
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PS3の文字入力画面
PS3の文字入力画面
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 日経エレクトロニクスは,ユーザー・インタフェースの評価や設計を手掛けるU'eyes Design(本社:東京都渋谷区)と協力して,「プレイステーション 3」(PS3)と英語版「Wii」のユーザー・インタフェースを比較した。それぞれの実機を対象に,ユーザー・インタフェースの評価の実績を積んだ専門家2名が実際に操作した結果と,数名の想定ユーザーが利用する状況を観察した結果に基づく。個別のゲームやコンテンツに依存しない,コントローラやメイン・メニューの使い勝手などを調べた。評価の結果,「Wiiは既存のゲーム機ユーザー以外にも使いやすそう。PS3は現在のユーザーのステップ・アップ機」と位置づけた。

 両者の大きな違いは,コントローラを用いた操作である。Wiiは「Wiiリモコン」を物理的に動かすことで画面上のカーソルを移動し,目的の項目を選んで選択ボタンを押す操作を基本とする。PS3は,コントローラ「SIXAXIS」に付属する多くのボタンを駆使する操作が多かった。この差が顕著に現れたのが,ユーザー登録の際などに利用する文字入力の操作である。いずれも画面にキーボードを表示し,望みのキーにカーソルを合わせ,選択ボタンを押して,入力する文字を決める方法を採る。英語版Wiiでは画面上で自由にカーソルを動かしてAボタンを押すだけで基本的な操作が終了するのに対し,PS3ではカーソルの移動には十字キー,キャレット(文字入力部分を示すカーソル)の移動はR1ボタンとL1ボタン,バックスペースは□ボタン,確定はSTARTボタンという具合に,複数のボタンを使いこなす必要がある。「Wiiの文字入力は直感的に分かるが,PS3の場合は操作を意識的に学習しないとうまく使えない」(U'eyes Design)。ただし,PS3にはパソコン用キーボードをつないで利用できたり,予測変換機能が付いていたりなど,英語版Wiiにはない機能があった。

 今回の評価では,いずれの製品でも使い勝手を損なう要素がいくつか見付かった。Wiiでは,「はい」「いいえ」といった二者択一の場合でさえ,リモコンを動かしてカーソルを移動する必要があり,「リモコンの動作に加えて,十字キーでもカーソルを動かせるようにした方がいい」(U'eyes Design)との指摘があった。PS3では,HDMIからD端子へなどテレビとの接続方法を変更すると,一度本体をリセットしなければ画面が映らなくなる点や,本体の電源が入っていないとコントローラの充電ができない点などが問題視された。今回の調査の詳細は,日経エレクトロニクス,12月4日号で紹介する予定である。