【ISSCCプレビュー】「CMOSでミリ波」,いよいよ登場へ
60GHzなどミリ波帯に向けたCMOS製ICが,ISSCCにいよいよ登場する。発表するのは,米大学やベンチャー企業,そして台湾の大学など。ミリ波帯に関しては,家庭のAV機器間の超高速無線インタフェースに応用する動きが活発化している(Tech-On!の関連記事)。CMOS技術の利用によってコスト低減を図り,家電機器への搭載を目指す狙いがある。
CMOS製のミリ波用ICは,これまでのISSCCでは要素回路に関する発表が中心だった。今回は「受信IC」,あるいは「送受信IC」に関する発表が続々と登場する。ただし公表された概要では,必要な機能ブロックをどこまで組み込んでいるかは不明である。実際の発表会場において,内部構成や評価結果に関心が集まりそうだ。
4Gビット/秒の無線データ伝送が可能
受信ICに関しては2件の発表がある。まず,米UCLA(University of California,Los Angeles校)の教授であるRazavi氏の研究グループが,90nmのCMOS技術を使ったICについて発表する(講演番号 10.1)。講演タイトルは「A mm-Wave CMOS Heterodyne Receiver with On-Chip LO and Divider」。ICに集積しているのは,LNA,RFおよびIF段のミキサ回路,分周器など。1.8Vで駆動し,消費電力は80mW。49GHz〜50GHzにおける雑音指数(NF)は6.9dB〜8.3dBとする。
もう1件は,米UCB(University of California,Berkeley校)の教授であるBrodersen氏の研究グループと米SiBEAM,Inc.による,130nmのCMOS技術を使ったICである(講演番号 10.2)。講演タイトルは「A 60GHz CMOS Front-End Receiver」。集積するのは,LNA,ミキサ回路,VCOなど。1.2Vで駆動し,消費電流は64mA。なおBrodersen氏はSiBEAM社の共同創業者。SiBEAM社は,ミリ波を使った家庭向け動画伝送仕様の策定団体「WirelessHD」の主導企業である(日経エレクトロニクスの関連記事の概要)。
送受信ICは,台湾National Taiwan Universityが130nmのCMOS技術を使った件について発表する(講演番号 10.3)。講演タイトルは「A 60GHz Low Power Six-Port Transceiver for Gigabit Software-Defined Transceiver Applications」。集積するのはVCO,I/Q変調器,バッファ・アンプ,SPDT型アンテナ・スイッチ,LNA,6ポートの検出器など。発表会場では,このICを使って4Gビット/秒のデータ伝送を実現した測定結果について明らかにするとしている。
このほか90nmプロセスを使ったミリ波IC向け周波数シンセサイザ(講演番号 10.5)や,65nmプロセスを使った90GHz帯向け分周器(講演番号 10.6)なども発表される予定。













