説明会に臨むNEC 取締役 執行役員専務の的井保夫氏
説明会に臨むNEC 取締役 執行役員専務の的井保夫氏
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 NECは,2006年度中間期(4月~9月)の連結決算を発表した(発表資料)。売上高は2兆2276億円と対前年同期比2.5%減,営業利益は61億円と同22.5%増の減収増益となった。経常損益は営業外費用がかさみ,135億円の赤字だった。なお,米証券取引委員会向けに提出する年次報告書の遅れから,今中間期から従来の米国会計基準から,日本会計基準に移行しており,2005年度中間期の値を日本会計基準に変更して2006年度中間期と比較している。

 セグメント別に見てみると,ネットワーク・システムやITサービスなどからなる「IT/NWソリューション事業」は好調だったものの,そのほかの事業分野の営業損益は赤字だった。中でも携帯電話機,パソコンなどからなる「モバイル/パーソナルソリューション事業」が不調で,売上高は対前年同期比14%減の4992億円,営業損益は同241億円減の410億円の赤字となった。

 2006年度(2006年4月~2007年3月)の業績については,売上高は対前年同期比5.1%減の4兆6800億円,営業利益は同37%増の1000億円を見込む。

厳しい携帯電話機事業


 モバイル/パーソナルソリューション事業は「予想以上に厳しい」(NEC 取締役 執行役員専務の的井保夫氏)とした。2006年度中間期(4月~9月)の携帯電話機の出荷台数は対前年同期比約40%減の290万台。今後海外市場ではHSDPAなどの「第3.5世代」の携帯電話機に注力していくという。欧州では第2.5世代の新機種投入を中止し,中国向けの端末も絞りこんでいくという。携帯電話機事業建て直しに関する質問に対しては,「松下電器産業など他社との協力体制を敷くことで,開発費などの削減をしたい」(NEC)と説明した(Tech-On!関連記事)。

回復基調の半導体,電子部品事業


 半導体,電子部品などの「エレクトロンデバイス事業」の営業損益は25億円の赤字であるものの,対前年同期比91億円増と回復基調を見せている。2006年度中間期は,マイコン全般や小型液晶パネル向けドライバICなどが好調だったという。2006年度下期(2006年10月~2007年3月)には,任天堂のゲーム機「Wii」に搭載されるNECエレクトロニクス製グラフィックスLSIの出荷の伸びや,車載向けマイコンなどが売り上げ増に寄与すると予想している。2006年度上期は減速気味だった大型液晶パネル向けドライバICの売上げも回復すると見ている。

 IT/NWソリューション事業の売上高は対前年同期比2%増の1兆2704億円,営業損益は同18%増の578億円。2006年度下期はNGN関連システムや製品の受注が伸びるとしており,2006年度中間期で400億円の受注額を2006年度下期でさらに伸ばし,通期で1000億円以上を目指すという。


【決算情報の訂正について】
NECは2006年12月22日,決算情報を訂正しました(訂正に関する記事はこちら)

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