米Analog Devices,Inc.や米Texas Instruments Inc.,ルネサステクノロジなどアナログICのメーカー7社と家庭向け通信機器のベンダーである米Threshold Corp.は,低消費電力の無線通信仕様を開発するためのコミュニティ「ONE-NET」を発足させたと発表した(WWWサイト)。仕様や設計の変更,配布などが自由で,ライセンス料が無料なオープン・スタンダードであることを最大の特徴とする。

 ONE-NETの仕様は,1台の親機に最大2000台までの端末を接続できることを想定する。通信距離は,屋外では500m以上,屋内でも100m以上である。伝送速度は,38.4kビット/秒を基本として,状況に応じて最大230.4kビット/秒まで変化させる。

 無線端末は,アルカリ乾電池などの電池で駆動し,間欠的な通信で電池を取り替えずに3~5年続けて使えるようにするという。いわば,通信距離が長いZigBeeのような無線仕様である。無線周波数としては無線局免許が不要なISM(産業,科学,医療用)バンドを利用する。すでに開発した仕様では,868M~915MHzの周波数帯を使うという。

 ONE-NETは現時点では,無線の変調方式やプロトコルの詳細を明らかにしていない。開発した無線通信のプロトコル・スタックなどは,WWWサイトから無料でダウンロードできるとしているが,2006年11月15日時点ではまだ未掲載である。