イー・アクセスと松下電工は,共同でモバイルWiMAXの実証実験を実施した,と発表した。松下電工が開発した子供向けのセキュリティ・システム「子ども緊急通報装置」の低コストの通信ネットワークとしてモバイルWiMAXを利用したもの。「実験エリア内において,満足な結果を得ることができた」(イー・アクセス)という。

 イー・アクセスと松下電工は,この実証実験を2006年8~10月に東京都港区の汐留地区と芝地区で実施した。モバイルWiMAXの通信インフラは,2006年7月に実験用無線局免許を取得したイー・アクセスが提供。128kビット/秒の動画を送れる子ども緊急通報装置や,512kビット/秒の動画を送信できる松下電器産業製ネットワーク・カメラを「通信端末」として利用した。

 子ども緊急通報装置は松下電工が2004年4月に発売した機器。子供の通学路などに設置し,子どもが危険を感じた時に通報ボタンを押すと,警報ブザーで周囲に異常を知らせると同時に警察へ映像付きで通報する機能を備えている。ただし,従来は警察までの通信回線にISDNなどを用いており,回線の敷設費用や利用料の高さが課題となっていた。