ソニーは,ノート・パソコン「VAIO」シリーズの法人向け事業を拡大する計画を発表した。現在,国内市場向けVAIOに占める法人向けの売り上げ比率は10%に満たないが,これを2009年度に30%まで高める計画。年率30%の売り上げ増を狙うという。この目標に向けて同社は,企業向けVAIO事業に専従するチームを2005年5月に結成。新機種「VAIO type G」を2006年12月2日に投入する(発表資料)


「VAIO type G」

 Type Gの特徴は軽さだ。筐体材料にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使う同社独自技術の採用で,12.1インチ液晶パネル搭載機として世界最軽量の898gを実現した(Tech-On!関連記事)。バックライトに白色LEDを使う0.2mm厚の液晶パネルや,グラファイトを用いる放熱器の採用など,細部にいたるまで軽量化にこだわった。


軽さをアピールするVAIO事業本部長の石田佳久氏


従来の放熱器(左)から約7g軽くなった新しい放熱器(右)

 駆動時間も約12.5時間と長い(ただし,世界最軽量の条件となる電池パック「バッテリーパックS」を搭載した場合は6時間という)。ソフトウエアでマイクロプロセサや画像処理チップの消費電力を制御したり,新開発のバックライト制御ICでLEDのVf(順方向電圧)のバラツキを吸収するなどして,消費電力の低減を図った。部品点数も削減している。

 サポートについても,法人向けのプログラムを設定している。法人専用の購入相談デスクや,連絡を受けて翌日にユーザーのもとへ出張して修理を行うサービス,買い替えの際に下取りやハード・ディスク装置内のデータを移すサービスなどを用意した。

 価格はオープン。光ディスク装置や電池パックなどの構成によって変わってくるが,ソニーでは21万5000円~24万5000円前後と推定している。量販店などでの店頭販売も行う。


第3段落に当初の記事にはなかった「ただし,世界最軽量の条件となる電池パック「バッテリーパックS」を搭載した場合は6時間という」という文を加えました。当初の記事では誤解を招く表現になっていたことをお詫びします(2006年11月17日)。