テルモと岡野工業の注射針「ナノパス33」
テルモと岡野工業の注射針「ナノパス33」
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三浦公亮氏が考案した地図の折り方「ミウラ折り」。宇宙実験衛星の太陽電池パネルにも採用されたもの
三浦公亮氏が考案した地図の折り方「ミウラ折り」。宇宙実験衛星の太陽電池パネルにも採用されたもの
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地中熱利用換気システム「geoシステム」。工場にも
地中熱利用換気システム「geoシステム」。工場にも
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 「新日本様式」協議会は2006年10月30日,初年度の「新日本様式」100選の選定結果を発表した。新日本様式は,日本の伝統文化や素材,技術,精神と,高度な技術力とを融合させた製品やシステムなどを選定するもの。日本の国際競争力の向上を狙う。第1回となる今回は,テルモと岡野工業(本社東京)によるインシュリン注射針「ナノパス33」(Tech-On!関連記事)や本田技研工業のロボット「ASIMO」,シャープの液晶テレビ受像機「アクオス」,松下電器産業のプラズマテレビ受像機「ビエラ」など。応募総数254点の中から53点を選定し,認証マークである「Jマーク」を付与した(同協議会のホームページ)。

 「新日本様式」協議会は,経済産業省の「新日本様式ブランド推進懇談会」報告書の提言を受け,2006年1月に設立されたもの。松下電器産業会長の中村邦夫氏が理事長を務め,法人会員としてはキヤノンやトヨタ自動車,松下電器産業などが,オブザーバとして外務省と経済産業省,国土交通省,文化庁が参画する。審査には,機械産業記念事業財団会長の福川伸次氏を座長とする評議会委員が当たった。

 応募の条件は,日本企業による日本製のものであることや,2006年10月30日時点で一般の人が購入/利用できることなど。製品やコンテンツ,サービス,システムなど,ジャンルは問わない。会員からの応募や評議会委員の推薦を受けた審査対象について,評議会委員が書類選考した後,実物審査を経て決定する。評議会では,「たくみのこころ」と「もてなしのこころ」「ふるまいのこころ」が製品やコンテンツのコンセプトやデザインに現れているか,日本の独自性を表現しているか,などを審議した。評議会委員で建築家の彦坂裕氏は「重視したのは,哲学やセンスといったものづくりの考え方」とし,「表現が未成熟でも選んだのがグッドデザイン賞との違い」と述べた。

 同協議会では今後,国内外で新日本様式の普及を目指す。10月31~11月11日には日本橋三井タワー(東京都中央区)で,10月31~11月5日には機械産業記念館(TEPIA,同港区)で,10月31~11月26日にはパナソニックセンター東京(同江東区)で発表展示を行うほか,2007年にはフランスのパリでも展示プロモーションを展開する予定。