京セラの2006年度中間期(2006年4月~9月)業績は,2ケタの増収増益を達成した。売上高は前年同期比13.5%増の6153億9000万円,営業利益は同87.0%増の631億2800万円だ。前年同期は赤字だった機器事業が黒字転換したことに加え,部品事業で利益を1.5倍に拡大した。

 前年同期に1億6000万円の赤字を出した機器事業は,この上期に136億円の黒字を計上した。携帯電話機の販売増で通信機器部門の売り上げが3割近く伸長した。米国子会社Kyocera Wireless Corp.の収益改善などで,同部門の事業損失も前年同期の94億円に対して10億円まで縮減している。情報機器部門は海外向けプリンター複合機の好調や円安効果で増収増益となった。光学機器部門もカメラ事業の縮小が順調に進んだことで,売上高は減らしたものの赤字も前年同期の40億円から9億円まで縮めている。

 部品事業は,半導体市況の回復や太陽電池市場の拡大,民生機器の生産拡大を背景に,前年同期に対して15%の増収,53%の増益となった。主力の電子デバイス部門は,12%の増収,93%の増益。民生機器向けにコンデンサや水晶関連製品,コネクタなどの需要が好調に推移した。

 同社は通期(2006年4月~2007年3月)の業績予想を上方修正した。売上高は前回予想の1兆2300億円に対して1兆2500億円(前年度比6.5%増)へ,営業利益は1230億円に対して1330億円(同33.4%増)へ,純利益は830億円から960億円(同37.7%増)へ,それぞれ予想を引き上げた。京セラは下期について,「材料価格の高騰や米国経済の減速が懸念されるが,次世代ゲーム機の発売や携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の開始などにより,民生機器向け部品需要は引き続き高水準で推移する」とみている。

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