「注意書きが小さすぎる」と広告を指差す中村社長
「注意書きが小さすぎる」と広告を指差す中村社長
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 「(ソフトバンクモバイル 代表取締役社長の孫正義氏は)言いたい放題」「若干の怒りを覚える」――。NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏が,最近のソフトバンクモバイルの一連の動きに対して反論した。同社が2006年10月27日に開催した2007年3月期の中間決算発表会での報道関係者とのやりとりだ。

 ソフトバンクモバイルは,携帯電話の番号ポータビリティ制度の導入に合わせて,新しい料金プランや端末の販売方式を次々と繰り出している。今回の中間決算の発表会でも,質問の多くはソフトバンクモバイル関連に集中した。

 料金プランについてNTTドコモの中村氏は,「0円」を強調した全国紙の全面広告を会場で広げながら「(適用条件を示した)注意書きが小さい。ユーザーは,あとで請求書をみてびっくりするのではないか」と釘を刺した。

 孫氏が「もうけすぎ」としたNTTドコモとKDDIの利益水準については,メリルリンチ証券会社のアナリストのレポートを引用する形で「日本の通信事業者の利益率は低下傾向にある。主要国の中では低い水準にある」と強調し,NTTドコモとしては「1兆円の営業利益を目指したい」とした。

 「世界一高い」と孫氏が指摘した携帯電話料金については,総務省の統計を引用するとともに,「何が根拠か」とすると同時に,ソフトバンクモバイルは固定電話から携帯電話料金への接続料金がNTTドコモとKDDIに比べて高いと反論した。

 「0円」を打ち出している端末の販売価格については,販売奨励金(インセンティブ)によって原価と販売価格がかけ離れている現状に対して「今のままでいいのか」と疑問を呈した上で,ソフトバンクモバイルのやり方では「(端末の原価と販売価格が)ますます離れてしまう」と憂慮する姿勢を見せた。

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