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HOMEエレクトロニクス機器 > 我々はPS3を手に入れられるか【前編】

我々はPS3を手に入れられるか【前編】

  • 日経エレクトロニクス分解班(根津 禎)
  • 2006/10/27 18:52
  • 1/1ページ
図1 今まで軽かった折りたたみ椅子の重さが,明日の抽選へのプレッシャーとともに左手にのしかかる。(撮影:筆者友人のH氏)
図1 今まで軽かった折りたたみ椅子の重さが,明日の抽選へのプレッシャーとともに左手にのしかかる。(撮影:筆者友人のH氏)
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 「じゃあ,今日から並んでもらおうか」(Eデスク)――ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション 3」(PS3)発売まで3週間を切った10月下旬。一部の店舗やオンライン・ショップが発売日出荷分の予約を締め切るなか,日経エレクトロニクス編集部の分解班はいまだ入手にメドが立たない状況に焦りを感じていた。もはや恒例となったあの記事を期待されている。読者の方のために,なんとしても発売日に入手しなくてはならない。

電話をかけまくる


 しかし,現実は甘くない。Eデスクのひとことに肝を冷やした私は,量販店に行列して購入する以外の方法も検討し始める。しかし他の仕事に追われ,購入方法を考え始めたのは帰宅後の疲れを癒す湯船の中。「オンライン予約は難しくてもあの大手レンタル店なら店頭でも予約するかもしれない」という考えがふと浮かぶ。風呂から出ると体を拭くのももどかしく,近所にあるA店に電話をかけてみた。すると「10月29日から店頭でも予約を開始します」という答えが。しかしその日は休日である上,内蔵HDDが60Gバイトの機種,20Gバイトの機種ともに発売日の入荷数は数台と少なく,入手できる確率は非常に低い。

 他の系列店での販売状況をたずねると,「店舗ごとに対応が違うのでそれぞれ問い合わせて下さい」とのこと。それならばと都内にある約40の系列に電話をかけまくった。深夜にも関わらず,各店舗の店員は明るい応対。なぜだか心が温まる。予約を終了した店や予約自体をしない店が続く中,A店以外にまだ予約購入できる店が3店あった。なかでもB店では「現在予約中で20Gバイト品なら4台ほど残っていますよ」(B店の店員)という。その店員によると,20Gバイト品に比べ,60Gバイト品のほうが人気が高いようだ。すぐにでも行って予約したい衝動に駆られながら,閉店時間が迫っているため翌朝予約に向かうことにした。

予想外です


 「えっ,次回入荷分なんですか!」。早起きして向かったB店内で声を張り上げてしまった。どうやら昨日の電話で予約中といっていた4台は,発売日である11月11日に販売する分ではなく,それ以降に入荷する分だったのだ。電話取材が甘かったと反省する。

 昼過ぎに編集部に戻り今後の方針を相談。気をとりなおしてまずは次の日の午前9時から発売日入荷分の予約を開始するC店に並ぶことになった。ただし平日とはいえ,入手できるかどうかわからない。入荷台数は60Gバイト品,20Gバイト品とも各5台と非常に少量なためだ。発売日に店頭に並ぶPS3の台数は国内で約10万台に過ぎないとは知っていたが,聞きしに勝る少なさである。確実に入手するためには並ぶ時間は早ければ早いほうがいい。しかし他の仕事があるため,さすがに昼間から並ぶことはできない。そこで自腹でバイト料を払い,研究室の後輩たちにお願いして並んでもらうことを思いつく。久しぶりに後輩に電話をかけると,「今夜はM君の誕生会があるので研究室のみんなは無理っすね」とつれない返事。結局,菊池記者とともに並ぶことに。とはいえ現地に行けるのは夜遅く。仕事中もすでに誰かが行列していないか気が気ではない。
 

「C店よお前もか」


 仕事を終えていったん帰宅し,準備をする。早朝に行列することはあっても,徹夜で並ぶのは7年ぶり。ちょっとした遠足気分で,カバンに仕事の資料や本,携帯ゲーム機を詰める。10月下旬とはいえ,夜は冷える。念のためホッカイロも用意。さらに夜通し地面に座る腰を痛めるので,友人H氏に折りたたみ式の椅子を借りようと電話すると,「なんならC店まで車を出すよ」と暖かい言葉。持つべきものは友である。

 C店に到着。さっそく店内に入り様子を探ると,えもいわれぬ違和感にとらわれた。店内にPS3の予約に関する告知がないのである。店員に聞くと,「PS3の予約ですか。ええ明日の朝から受け付けます。ただ予約方法を先着順から抽選方式に急遽変えました。前日の夜から並ぶ方がいると近隣の方のご迷惑になりますからねぇ」という回答。一瞬頭が真っ白になる。なぜ直前になって予約方法を変えたのか聞く気も起きない。

 午前0時から合流予定だった菊池記者にあわてて電話をかけ,明朝に集合することに予定を変更。やりきれない気持ちを抱えつつ,筆者は友人H氏と共に帰宅する(図1)。このまま帰るのはあまりに悲しいので,家の近所に出来たばかりのラーメン店で,2人で無言のままラーメンをすすった。
後編に続く

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