中間期決算を発表するNECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏。
中間期決算を発表するNECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏。
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通期の業績見込みを赤字に修正。
通期の業績見込みを赤字に修正。
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売上高は第1四半期に比べて増加した。
売上高は第1四半期に比べて増加した。
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「四半期単位の黒字まで後一歩」(NECエレクトロニクス)。
「四半期単位の黒字まで後一歩」(NECエレクトロニクス)。
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 NECエレクトロニクスは2006年度の中間期(2006年4月〜9月)連結決算を発表した。売上高は対前年度同期比9.6%増の3430億円。営業損失は対前年同期比で52億円改善した69億円,純損失は同5億円改善して74億円となった。

通期見込みを赤字に修正

 これに伴い,2006年4月26日に発表した通期の連結業績予想値を修正した。売上高は当初予想から100億円減の6950億円,当初50億円の黒字を見込んでいた営業損益は70億円の赤字となる。357億円の営業損失を計上した2005年度に比べると赤字幅は縮小するものの,今年度に予定していた黒字転換は果たせそうにない。

 業績予想を下方修正したのは,すでに受注済みの携帯電話機向け半導体の生産が半年以上遅れることなどの理由で受注が不足し,売上高が当初の見込みより減少するため。一方で,製品構成の改善などのために研究開発費を増やしており,これが足かせになっているようだ。研究開発費の増加分は,携帯電話機向けのASSP,カーナビ向けのマイコンなど収益性の高い製品にシフトしたり,液晶ドライバICのプロセス改善などに使う。

大型投資を回収できず

 2006年度の第2四半期だけを見ると,営業損益は12億円の赤字で「四半期単位の黒字まで後一歩」(同社 社長の中島俊雄氏)の状況。ライン稼働率は今中間期を通じて90%を超えているという。NEC山形の300mmラインの生産能力は,生産性の改善によって従来の計画を2000枚/月上回る1万3000枚/月に達する見込みである。だが,こうした生産能力の向上を受注で埋めきれていない。「SoCの先端品への投資を十分に回収できていない。1年以内といった短期間でSoC事業を黒字化するのは難しいと見ている」(中島俊雄氏)。

 中島氏は会見で自己採点を問われて,「回復基調に持ち込んだ点で70から80点くらい。マイナスは数字を達成できていない点など」と述べた。「2007年度は,何としても通期で黒字化する」(同氏)。

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