Cisco TelePresence 3000の利用イメージ
Cisco TelePresence 3000の利用イメージ
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 米Cisco Systems,Inc.は,65インチのPDPやHDTV対応のビデオ・カメラ,立体音響システム,前面投射型プロジェクタ,専用のテーブルなどで構成する遠隔会議システム「Cisco TelePresence」を開発した。同社のIPネットワークと共に,遠隔地のコミュニケーションを必要とする企業ユーザー向けに販売する。すでに国内だけで200システムの採用が決まっているという。

 同システムは,大型表示装置や音響効果による臨場感を売りにする。2006年10月25日にCisco社日本法人内で実施した記者会見で,シスコシステムズ 執行役員の篠浦文彦氏は「既存のテレビ会議とは次元が違う。テレビ会議とは呼ばずにバーチャル・ミーティング・システムと呼んで欲しい」と訴えた。

 同システムには,PDP1画面を備える小型の「Cisco TelePresence 1000」と,3画面を備える「Cisco TelePresence 3000」の2種類がある。いずれも松下電器産業製のPDPを採用する。国内での価格は,それぞれCisco TelePresence 1000が1069万7000円から,Cisco TelePresence 3000が4048万5000円から。同システムの導入はIPネットワークを既に保有していることが前提であり,遠隔会議システムに必要な帯域・遅延時間の調整を行う通信制御サーバーが別途必要になる。

 同システムの符号化方式には,MPEG-4 AVC(H.264)を採用する。1セッションあたり3~4Mビット/秒の通信速度を保証する帯域を確保する必要があり,中継回線の増強が必要になるケースもある。このため同システムの販売は,IPネットワークの設計・構築能力がありCisco社が認定するパートナー企業「Cisco TelePresence Advanced Technology Provider(ATP)」を通じて行われる。国内のATPは現時点では公開しておらず,11月に同社のWWWサイト上で発表する。

 記者会見では,Cisco TelePresence 3000を使って米国カリフォルニア州にあるCisco社本社と,東京都内にある日本法人を結んだ遠隔会議を実演してみせた。実演では,参考機能として音声認識機能も用意した。アドバンスト・メディアが開発した「AmiVoice」で,聞き取りにくい言葉についてはプロジェクタによりテキスト表示する。

 現行のシステムは2地点を結ぶものだが,2007年春には3カ所以上の拠点を結ぶマルチポイント型システムも発売するという。