エルピーダメモリの2006年度第2四半期(7月~9月期)決算は,売上高が1111億4700万円と対前年同期比で93.4%伸び,営業損益は170億8200万円の黒字に転換した。対直前四半期比では,売上高が20.7%増,営業損益が86.9%増となった。売上高,営業利益ともに同社として過去最高を記録し,営業利益率は15.4%に達した。DRAMのビット換算の販売数量は,直前四半期から17%増加している。

平均販売単価が対前期比5%上昇

 エルピーダの第2四半期の業績を引き上げた要因は,DRAMの平均販売単価(ASP)が,パソコン(PC)向けを中心に5米ドル後半(512Mビット換算)と対前期比で5%上昇したことである。とりわけ,同社の主力製品であるデータ転送速度が533Mビット/秒の512MビットDDR2規格シンクロナスDRAMの価格が2006年9月に急激に上昇したという。DRAMの価格がここにきて上昇したのは,DRAMの供給不足感が鮮明になってきたからである。この理由としてエルピーダメモリは,(1)競合他社による90nm/80nm世代のDRAMの歩留まり改善が遅れていること,(2)DRAMメーカーの中に設備投資の優先度をNANDフラッシュ・メモリにシフトしているところが出始めていること,(3)200mmウエハー工場を主力とするDRAMメーカーの供給量が需要に追い付いていないこと,の3点を挙げた。

 売上高を製品別で見ると,PC向けが対前期比37%増の480億円,サーバ向けが同50%増の150億円,モバイル・デジタル家電向けが同5%増の440億円となった。全売上高に占める比率は,PC向けが43%と対前期比5ポイント増,サーバ向けが14%と同3ポイント増とそれぞれ増加したが,モバイル・デジタル家電向けは40%と同6ポイントの減少となった。モバイル・デジタル家電向けは,ユーザーの在庫調整の影響を受けたとする。エルピーダは,2006年度第3四半期(10~12月期)にはモバイル・デジタル家電向けの売上高比率を45%程度まで高めたい考えである。

 全売上高に占める外部調達比率は34%と対前期比で11ポイント増加している。PC向けを中心に,台湾Powerchip Semiconductor Corp.(PSC)などの提携メーカーからの供給量を増やしていることによる。外部調達品による今期分の粗利益は100億円程度としており,営業利益の60%近くを占めている。外部調達比率は,2006年度第3四半期には35~40%へと高める見通しである。

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