ゴールドプランを「予想外割」と呼ぶ
ゴールドプランを「予想外割」と呼ぶ
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他社の料金プランから常に210円を割り引く「ブループラン」「オレンジプラン」
他社の料金プランから常に210円を割り引く「ブループラン」「オレンジプラン」
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 携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の導入を前日に控えた2006年10月23日,ソフトバンクモバイルが携帯電話の新料金体系を発表した。同10月26日から適用する。

 今回の発表で長い時間をかけて説明したのが,条件付きながら同社の利用者間の「通話料0円」「メール0円」をうたう「ゴールドプラン」である。同プランでは,ソフトバンクモバイルの利用者への音声通話が無料になる。ただし,他社の携帯電話への通話や国際電話,テレビ電話には別料金が適用される。1請求月について21時~0時の時間帯の累計通話時間が200分を超えた場合,30秒ごとに20円かかる。

 メール0円の対象は,最大250文字のショート・メッセージ・サービス(SMS)に限られる。同社が「S!メール」と呼ぶインターネット・メールは通常料金だ。

 さらに,「大創業祭キャンペーン」と銘打つ期間中に他社から移行した利用者については,基本料金を70%割り引くとした。ゴールドプランの通常料金は月額9600円だが,2007年1月15日までに同プランに加入すると2880円となる。この割引料金は将来にわたって適用されるという。

 ただし,ゴールドプランの基本料金には無料通話分が含まれていない。しかも他社への通話料金は平日昼間30秒あたり28円など,通話時間が少ないユーザーに向けた既存プランよりも割高になる。同社の利用者間での音声通話とSMSが多いユーザー向けの料金体系と言えそうだ。家族ごと,あるいはグループごとの乗り換えを狙ったものだが,「新規加入者の8割が適用するだろう」(同社取締役社長の孫正義氏)との目論見どおりになるかどうかは微妙だ。

 このゴールドプランに先駆けて説明したのが「ブループラン」と「オレンジプラン」。それぞれNTTドコモとKDDIの現行料金体系から月額210円(税抜きで200円)ずつ割り引いた料金プランであり,ソフトバンクモバイルに移行するすべての利用者の利用料金が安くなるようにした。継続や家族割引など各種割引料金も引き継ぐことができる。

 あまりにも分かりやすい料金プラン,あるいは「日本のインターネットを変えたソフトバンクがいよいよ携帯料金に挑戦」など大げさなプレゼンテーションに対して小幅にとどまった割引額に説明会場では思わず失笑がもれたが,仮にNTTドコモとKDDIが対抗の料金値下げ(キャンペーンを含む)を導入したとしても,料金差を210円としたまま24時間以内に値下げするとした。ブルーとオレンジの各プランが,今回の新料金体系の「本命」となりそうだ。