図1 YSP-1100の外観。横幅103cmであり,42型以上の薄型テレビとの組み合わせに合わせている。
図1 YSP-1100の外観。横幅103cmであり,42型以上の薄型テレビとの組み合わせに合わせている。
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 ヤマハは,スピーカ・アレイを制御して5.1チャネルのサラウンドを実現するスピーカ・システム「デジタル・サウンド・プロジェクター」の新製品を発表した(図1)(発表資料)。リモコンを操作することで,視聴位置に向かって音声が放射される機能「マイビーム」を新たに加えた。この機能を使うと,例えば,特定位置に居る視聴者に向かって音声ビームを照射して騒がしい環境でもニュースなどの音声を明瞭に聞き取れるようにするといった使い方や,夜中に1人でテレビを視聴するときに視聴者だけに音声ビームを向けることで周囲の部屋への音漏れを抑えながら音声を聞き取りやすくするといった使い方が可能になるという(図2)。「YSP-1100」という製品名で,2006年11月1日に発売する。価格はオープン。

 デジタル・サウンド・プロジェクターは,アレイ状に並んだ複数個のスピーカを使い,各スピーカの出力のタイミングをずらすことによって音声ビームを作り出している。YSP-1100は,3列に並べたスピーカを合計40個使う。各スピーカが発する音波の干渉効果によって,指向性の強い音声ビームが生まれる。今回初めて採用したマイビーム機能はこの音声ビームを作り出す技術を利用し,リモコン操作位置に向かってモノラルの音声ビームを放射する。なお,5.1チャネルといったマルチチャネルで視聴する際には,音声ビームを部屋の側面や背面で反射させることで部屋の壁面に音源を作り出している(図3)。

 リモコン操作する位置は,ボタン操作時にリモコンが発する光信号を,スピーカ・システムに搭載した2個のセンサで受信し,三角測量の原理によってスピーカ・システムに対するリモコン操作位置の角度と距離を算出する。算出データを基に,リモコン操作位置に向かいかつ同位置で焦点が合うように音声ビームを照射する。

図2 マイビーム機能の使用例
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図3 5.1チャネルで視聴する例
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