ソニーは,2006年度通期(2006年4月~2007年3月)の業績予想を修正した(PDF形式の発表資料)。売上高は前回予想通り8兆2300億円(前年度比10.1%増)としたが,営業利益は2006年7月に発表した1300億円に対して500億円(同73.9%減)と大幅に引き下げた。純利益も1300億円から800億円(同35.3%減)へ下方修正している。

 利益を大幅に下方修正した理由の第一に同社は,ノート・パソコン用電池パックの不具合に伴う自主交換費用を挙げる(Tech-On!関連記事1)。電池の自主交換プログラムに関わる費用は総額で約510億円に上り,ソニーはこれを2006年7月~9月期に引き当てる予定だ。

 ゲーム事業の不振も業績に影を落としている。「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の売上高と利益がともに当初予測を下回った。競合他社に押されるなどして,ハードの販売台数が伸びなかったという。さらに,2006年11月に発売予定の「プレイステーション3」(PS3)を当初の想定より値下げしたことの影響もあり,ゲーム事業は減収と赤字の拡大が見込まれる(Tech-On!関連記事2)。加えて,PS3向けデバイスの生産調整を行うことでエレクトロニクス分野でも利益が減少する見通しだ。


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