2006年7月~9月期の世界パソコン市場シェア
 米Hewlett-Packard Co.(HP社)が世界パソコン市場において3年ぶりに首位に立った。米Gartner, Inc.の調査によれば,2006年7月~9月期のパソコン出荷台数は,HP社が965万2000台で,米Dell Inc.の954万1000台を上回った。HP社が首位に立つのは2003年7月~9月期以来となる。

 HP社は全地域にわたって出荷を伸ばした。民生向け市場でAMDアーキテクチャ採用機を中心に売り上げを好調に伸ばしたという。出荷台数は前年同期から15.4%増加し,市場シェアは前年同期の15.1%に対して16.3%まで上昇している。

 一方,これまで首位を守ってきたDell社はこの四半期に前年同期に対する成長率が過去最低の3.6%に落ち込んだ。米国やEMEA(欧州・中東・アフリカ)における同社の成長率は市場成長率を下回っている。

 世界市場3位には中国Lenovo社グループがつけた。4位には成長率33.4%を記録した台湾Acer, Inc.が,5位には同じく30.5%と成長率の高かった東芝が入っている。

米国市場が4年ぶりに落ち込む

 この四半期の世界市場規模は,前年同期比6.7%増の5910万台だった。地域別にみると,米国市場が同2%減と,2002年4月~6月期以来,4年ぶりに落ち込んだ。企業向けデスクトップ・パソコンの出荷が振るわず,民生向けノート・パソコンの出荷増を相殺した。

 米国以外では,EMEAが9.1%増,アジア太平洋地域が13.7%増,南米地域が20%増と好調に推移している。日本市場は前年同期比3%減の300万台にとどまった。企業向けは前年並みを維持したが,民生向けで2ケタ近い落ち込みがあった。