パルステックが展示した「ODU-1000」。左の装置にディスクの回転台と光ヘッドを搭載する。中央下のディスプレイには,対物レンズ(SIL)に映った像を捉えたCCDカメラの画像を表示している。
パルステックが展示した「ODU-1000」。左の装置にディスクの回転台と光ヘッドを搭載する。中央下のディスプレイには,対物レンズ(SIL)に映った像を捉えたCCDカメラの画像を表示している。
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 パルステックは,開口数が高いSIL(solid immersion lens)を対物レンズに用いるニア・フィールド記録の研究開発に向けた試験システム「ODU-1000」の試作機を「ISOM'06」で展示した。顧客の反応を見て製品化の時期を決めるという。

 会場では,国内メーカーの技術者のほか韓国Samsung Electronics社や韓国LG Electornics社などの技術者が,この試験システムに高い関心を寄せていた。「発売されたらすぐにでも買いたいね」(Samsung社の技術者)。

 パルステックによれば,Blu-ray DiscやHD DVDといった次世代光ディスク技術の開発を終えた技術者が,次の研究開発の対象としてニア・フィールド記録やホログラフィック記録に興味を持ち始めているという。パルステックは,ホログラフィック記録に対応した試験システムを既に実用化済み。特に,記録膜を形成するフォトポリマを開発する材料メーカーからの引き合いが強いという。

 ODU-1000は,光ヘッドに開口数(NA)1.84のSILを採用し,波長405nmの青紫色レーザで記録再生する。媒体と対物レンズの間隔は20~80nmの範囲で指定できる。波長650nmの赤色レーザを使ったギャップ・サーボ機構により,媒体とレンズとの間隔の触れ幅は±1nmほどに抑えられるという。