パイオニアが開発した紫外線照射装置
パイオニアが開発した紫外線照射装置
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 パイオニアは,Blu-ray Discの2層媒体の歩留まり向上につながる製造技術を開発した。二つの記録層の間に形成する中間層を硬化するための紫外線照射装置を新たに開発し,中間層の厚みのばらつきを従来の約1/4に抑えた。BD-ROMとBD-R/REそれぞれの2層媒体に適用できる。同社はこの成果を,香川県高松市で開催中の「ISOM'06」で明らかにした。

 一般に,Blu-ray Discの2層媒体の中間層は「2P法」と呼ばれる手法で製造する。具体的には,まず第1層の記録膜の上に液状の紫外線硬化樹脂を塗布する。その上に透明樹脂の型を押し当て,透明樹脂の上から紫外線を照射することで,型の形通りに紫外線硬化樹脂を固める。

 従来の方法では,紫外線をディスク全体に均等に当てていた。パイオニアは,400個の紫外線LEDを同心円状に敷き詰めた照射装置を新たに試作。紫外線硬化樹脂に型を押し当てたままディスクを回転させ,その状態で中央から外側へと時間差をつけて紫外線LEDを発光させた。この時間差を調整することで,半径方向における厚みの分布を自在に調整できるようになった。同社によれば,DVD向け製造装置を使うと厚みのばらつきが5.8μm生じていたところを,照射装置を置き換えるだけで1.5μmまで低減できたという。

 東北パイオニアは,この照射装置を含むBlu-ray Disc製造ラインを2006年末から外販する計画という。