日立マクセルは,2007年春をメドに追記型DVDの生産を海外メーカーに委託する。

 追記型DVDの市場は需要も旺盛ながら供給メーカーも多く,直近1年ほどは価格の下落も落ち着きつつあるものの,過去数年にわたっては年間で50~60%の平均単価下落に見舞われてきた。マクセルはこれまでにも,海外向け追記型DVDの生産を台湾メーカーに委託するなど,事業の効率化を図ってきた。今回,さらなるコスト削減を含め,事業の収益性の向上を図るため,来春から国内向け製品も海外メーカーに委託するとの決断を下した。

 ただし,同社は今回の生産委託を「スーパーODM(Original Design Manufacturing)」と名づけ,「単なる生産委託ではない」と強調する。材料や生産ラインを筑波事業所(茨城県常総市)からそのまま移管し,指導的役割を果たす人員も数名,現地に常駐させる。あくまでディスクの品質を損なわずに生産を委託するとしている。筑波事業所の追記型DVDの月産枚数は2000万枚だが,このうち,先進的な製品を除く大部分を移管する予定。移管後の生産規模は現状を維持する計画だ。

 これまで国内向け光ディスクの全量を生産してきた筑波事業所は今後,青色レーザ対応光ディスクや書換型DVD,追記型DVDの先端製品などの開発と生産に特化していく。