米Google社は,かねてからの噂通り,動画投稿サイトを運営する米YouTube社を買収した(Tech-On!関連記事)。動画配信では出遅れ気味のGoogle社は,YouTube社を取り込むことで何が変わるのか。YouTube買収の狙いをGoogle社日本法人の広報担当者に聞いた。

(聞き手=内田 泰)



――Google社がYouTube社を買収した理由は。

 技術やサービスの面で,Google社とYouTube社は重なる部分が多い。一緒になれば,ユーザーや広告主にとってより良いサービスを提供できると考えた。

 YouTube社から見れば,Googleが持つWebサーバーの規模などに魅力を感じたはず。Google社から見れば,YouTubeのブランド,アクセス数,技術に魅力があった。

――買収交渉はいつから始めたのか。

 コメントできない。

――Google VideoとYouTubeの統合は考えているか。

 具体的な計画はない。当面は,ブログ・サービス「Blogger」のようにYouTubeを独立したサービスとして運営していく。もちろん,将来の統合はあり得る。

――YouTubeに検索連動広告は入るのか。

 現在YouTubeはバナー広告のみを表示している。連動広告を導入する具体的な計画はないが,将来は導入するかもしれない。

――YouTubeには,著作権に問題あるコンテンツが多数アップロードされている。この問題にどう対処するのか。

 YouTube社がGoogle社の傘下に入ることで,コンテンツへの監視を強化する,といった話は出ていない。ただし,権利者から指摘を受けたものは削除といった,従来からのポリシーは引き継ぐ。これとは別に,著作権保護技術については今後も両社で検討する必要がある。