高速無線アクセス規格「WiMAX」のチップ開発を手掛ける米Wavesat Inc.と米RF Magic, Inc.は,端末における受信回路の部品コストを100米ドル以下にできるとうたう参照設計(リファレンス・デザイン)を共同で展開すると発表した(Wavesat社の発表資料RF Magic社の発表資料)。両社がこれまで別々に出荷してきたRFトランシーバICやベースバンド処理IC,ソフトウエアなどを組み合わせて,mini PCIモジュール向けに設計したリファレンス・デザインと一括してOEM事業を手掛けるメーカーなどに提供する。

 共同で展開するリファレンス・デザインの構成は,ベースバンド処理はWavesat社製LSI「DM256」を使い,無線トランシーバ回路にRF Magic社製チップセット「Magic Max」を使う。Magic Maxは,送信IC「RF2000」と受信IC「RF3000」の2チップ構成であり,VCOやLNA,パワー・アンプなどを備える。WiMAXの固定規格「IEEE802.16-2004」に準拠し,2.0G~3.8GHzの無線周波数に対応する。

 Wavesat社はRF Magic社のほかにも,WiMAX向けチップを手掛ける複数の半導体メーカーと協業していることを明らかにしている。例えば米Texas Instruments, Inc.と5.8GHz帯の無線周波数を使うWiMAXの参照設計の開発(発表資料)を手掛けているという。Wavesat社は2006年10月10日(現地時間)から米国ボストンで開催する「WiMAX World Conference & Exposition 2006」に,関連製品を出展する予定。