機器認証の実演。
機器認証の実演。
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実証実験に参加したコンテンツ提供企業の一覧。
実証実験に参加したコンテンツ提供企業の一覧。
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 CEATEC会場のデジタルネットワークステージの中央では,「デジタルホーム実証実験」がひときわ大きなブースを構えている。同ブースは,経産省と総務省が共同開催した「情報家電ネットワーク化に関する検討会」の成果を具体化することを目指し,経産省の委託事業として行われているものだが,要は先日,サービス内容の概要発表があったテレビポータルサービスの新サービス「アクトビラ」の実演ブースである。展示は大きく,「コンテンツデモ」「DRM」「認証技術」「参加各社の展示」の四つに分かれている。

 アクトビラの発表会では,ストリーミング型のVODやダウンロード型の映像配信をそれぞれ2007年度,2008年度に開始することを発表しただけで,コンテンツを提供企業の名は一切明かされなかったが(Tech-On!関連記事),CEATECのブースではテレビ朝日,テレビ東京,TBS(東京放送),日本テレビ,フジテレビなどの民放各社やNHK,テレビマンユニオンなどのテレビ番組制作会社,アニプレックスやゴンゾ,バンダイビジュアルなどのアニメ制作会社,角川ヘラルドやギャガ・コミュニケーションズ,ソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどの映画関連企業,casTVやバンダイチャネル,ベルロックメディアなどの映像配信会社,その他,WOWOW,吉本興業などが実証実験に参加し,HDTVコンテンツなどを提供していた。なお,今回の実証実験のブースはあくまで経産省の委託事業としての展示であり,アクトビラはその一例という位置付けのため,必ずしもこれらの企業が,アクトビラでもコンテンツを提供するとは限らない。

 参加各社の展示では,配信サーバーと映像配信対応テレビの試作品をEthernetで1対1に接続し,HDTV映像などを実演した。コンテンツによっては早送りなども可能である。なお,今回の映像配信の実演ではMarlinなどを使ったDRMは一切実装していない。「さすがにそこまで作り込む余裕はなかった」(ブースの説明員)という。

機器認証のデモも

 機器認証では,「デジタルテレビ情報化研究会」の仕様書に基づいて実装した。テレビに出荷段階でIDを割り振っておき,非対応のテレビではアクトビラなどが用意するポータルサイトに接続できないようにする。会場では実際に非対応のテレビを用意し,認証が拒否された様子などを実演していた。機器認証の仕組みはあくまでテレビ・ポータルのサイトにアクセスするためだけに利用されており,コンテンツを保護するMarlinのDRMとは独立になっているという。

 なお,映像配信以外のコンテンツとしては,2007年2月に開始する予定の「生活サービス」の実演を行った。このコンテンツでは東京ガスが参加しており,月ごとのガスの使用量や家庭内の機器の消し忘れなどを確認することができる。