出展したアダプタ
出展したアダプタ
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複数のアダプタを同時に接続
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 シャープは,家庭内ネットワークに向けた高速電力線通信用アダプタを開発,2006年10月3日から開幕した「CEATEC JAPAN 2006」に出展した。家庭の電源ケーブルを伝送線路にして,テレビやパソコンをつないでHDTVの映像データを伝送できる。2007年前半ころの国内での発売を目指す。

HomePlug仕様に準拠


 シャープは前回のCEATECなどでも電力線通信用アダプタを出展していたが,今回は筐体デザインをスタイリッシュにまとめるなど,「実際の商品イメージに近いものにした」(シャープ)という。発売までには,さらに小型化する方針である。アダプタの送受信回路は,米業界団体「HomePlug Powerline Alliance」が策定した家庭のAV機器向け規格「HomePlug AV」に準拠した。なお同社は2006年1月に米ラスベガスで開催した「2006 International CES」において,既に高速電力線通信に対応した「AQUOS」を出展していた(発表資料)。

 アダプタには,海外メーカーの送受信チップセットを使う。メーカー名は明らかにしていない。最大データ伝送速度は物理層で200Mビット/秒を確保している。「UDPで伝送した際の実効データ・レートは最大90Mビット/秒程度」(シャープ)という。ブースの実演では,MPEG-2で圧縮したHDTV映像(約20Mビット/秒)を伝送した。実演での伝送距離は10m程度だが,「距離に関しては伝送する電力線ケーブルの品質に依存するので一概には言えないが,家庭で利用する範囲では距離の問題は無いと考えている」(シャープ)という。

 今回は外付けのアダプタとして出展しているが,将来的には機器への内蔵も視野に入れている。「将来的には,機器に内蔵することに大きな価値があると考えている。しかし,最初から内蔵するというのはやはり難しい。まずは現実的に,外付けアダプタから製品化することを考えている」(シャープ)としている。