図1 Xactiシリーズの「DMX-CG6」
図1 Xactiシリーズの「DMX-CG6」
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図2 角速度センサの情報を基に手ぶれを補正する
図2 角速度センサの情報を基に手ぶれを補正する
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 三洋電機は,SDメモリーカードに写真や映像を記録するデジタル・カメラ「Xacti」シリーズの新製品「DMX-CG6」を発売した(ニュース・リリース)。2005年11月に発売した「DMX-C6」の後継モデルとなる。

 従来製品と比べた最大の特徴は,角速度センサとデジタル信号処理技術を組み合わせた手ぶれ補正機能「手ぶれキャンセラー」機能を搭載したこと。写真モードでの撮影時に,シャッター・スピードを1.5段~2段早くするのと同等の効果があるという。

 DMX-CG6は2軸の角速度センサを内蔵しており,シャッターが開いている間の角速度の変移を,画像のメタデータとして保存できる。ユーザーが手ぶれ補正の実行を指示すると,まずDMX-CG6はこの角速度の情報を基に,時間積分の逆演算を行う画像復元フィルタを算出する。このフィルタを画像データに適用することで,手ぶれを抑えた鮮明な画像を得られるという。「もし角速度のデータを連続的に記録できれば,原理的には手ぶれ画像から元の画像を正確に抽出できる」(三洋電機 パーソナルエレクトロニクスグループ DIカンパニー 技術・設計ユニット 技術部 技術課 担当課長の岡田秀史氏)。光学補正による手ぶれ補正技術と比べ,機構部品が不要なので機器を小型・軽量化できる利点がある。なお,ビデオ・モードでの撮影時には,従来機と同じく記録するフレームを固定する電子式手ぶれ補正機能が使える。

 このほかの特徴として,従来の「9画素混合技術」を強化してビデオ・モードでの最低被写体照度を従来の7ルクスから2ルクスと低くした。「ろうそくの光で照らした部屋でも撮影できるようになった」(三洋電機)。4GB以上の容量を実現するSDメモリーカードの上位規格SDHCに対応したほか,細かい改良点としては撮影時に指が被るのを防ぐためにフラッシュの位置を変更している。

 映像の圧縮方式はMPEG-4で,最高画質モードでは640×480画素,30フレーム/秒の画像を3Mビット/秒の映像ストリームに圧縮する。撮像素子は1/2.5型の約637万画素CCDセンサ。写真モード時の最高感度はISO1600。デジタル・ズーム機能で撮影時に最大12倍まで拡大できる。消費電力は3.2Wで,720mAhのリチウム2次電池で約70分の連続撮影が可能である。重さは本体のみで約149g,2次電池やSDメモリーカード込みで約168g。外形寸法は67.7mm×100.3mm×34.5mmである。