Flickrの共同設立者Stewart Butterfield氏(左),Caterina Fake氏(右)
Flickrの共同設立者Stewart Butterfield氏(左),Caterina Fake氏(右)
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Eye-Fi社の無線LAN機能とフラッシュ・メモリを統合したSDカード
Eye-Fi社の無線LAN機能とフラッシュ・メモリを統合したSDカード
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Flickrのサービスが扱う写真を地図に貼り付ける様子
Flickrのサービスが扱う写真を地図に貼り付ける様子
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 「シンガポールFlextronics International Ltd.のようなEMS企業の登場によって,デジタル・カメラやカメラ搭載携帯電話機の製造コストが下がっている。こうした状況をみて,我々のサービスを利用するユーザーにとって便利な機器の開発について検討を始めた。メーカーと相談したいと思っている」。

 米Yahoo! Inc.傘下の人気オンライン写真共有サービス「Flickr」のCo-founder,Stewart Butterfield氏は,報道向けのイベントで,同サービスが扱うデジタル写真を扱う機器の開発について説明した。既にYahoo!社とフィンランドNokia Corp.は,Nokia社の携帯電話機「Nseries」から写真をFlickrアップロードし,これにコメントを加える機能を追加している(発表資料)。

 Butterfield氏は興味をひくハードウエアの例として,米Eye-Fi社が開発した「Eye-Film」と呼ぶSDカード型の機器を見せた(Eye-Fi社のWWWサイト)。同カードには,IEEE802.11b/g対応の無線LAN機能や,フラッシュ・メモリの機能などが詰め込まれている。「このカードをデジタル・カメラに差し込むと,無線LANの接続環境さえあれば,ユーザーが撮影した写真をそのままに我々のサービスにアップロードできる」(同氏)。Butterfield氏が見せたSDカードは,IEEE802.11b/gや1Gバイトのフラッシュ・メモリを統合した品種のアルファ版だったという。

 機器とオンライン・サービスの統合によってFlickrが提供することを想定しているサービスの一つのヒントが,Flickrが約3週間前に公開した,写真に地理情報を加えたオンライン・サービスである(同サービスのWWWサイト)。「携帯電話機のGPS機能によって取得した地理情報を写真のメタデータとして加える。それがアップロードされると,自動的に写真を撮影した場所を判定して,地図に対応付けることができる。しかし,こうした機能を利用できる携帯電話機はまだ少ない」(Butterfield氏)。

 Butterfield氏によると,Yahoo!社のカリフォルニア州バークレー市にある研究ラボは,携帯電話基地局の信号強度などから携帯電話機のユーザーがいる場所を把握する研究を進めている。さらに,Yahoo!社傘下でイベント関連のオンライン・サービス「Upcoming」(同サービスのWWWサイト)を提供している部署と共同で,イベント会場などからユーザーが携帯電話機を使ってアップロードする写真を自動的に集める研究も進めている。「写真にメタデータとして位置情報と時間情報が追加されていれば,それらを分析することで,そのユーザーがあるイベントに参加しているだろうと推定できる。この情報があれば,例えばそのイベントに関連するWWWサイトに写真をアップロードすることが可能になる」(Butterfield氏)。