申請特許の動作を説明する図
申請特許の動作を説明する図
[画像のクリックで拡大表示]

 「マルチレイヤー型のデュアル光ディスク」(MULTILAYER DUAL)と題した特許が公開され,欧米の一部メディアで話題になっている。1枚のディスクの2面を使って,各面にBlu-ray DiscHD DVDなど異なるフォーマットに基づくデータを記録,光ディスク装置は自動的にそれぞれを読み取ることが可能となる仕組みを記述する。

 特許の申請番号は「2006/0179448」(同特許の申請書)。発明者はWayne Smith氏やAlan Bell氏,Lewis Ostrover氏の3名。特に後者の2人は,米国の大手映画会社であるWarner Bros.の技術者である。この特許は2005年12月に申請されて,2006年8月10日に公開されたものである。

 特許の申請書によると,Blu-rayやHD DVDのフォーマットに加えて,CDやDVDにも対応できる。基本的には,光ディスク内の2層のレイヤーに,各々異なるフォーマットで記録する。異なるフォーマットを区別するため,検知用の「data detector」を設ける。このdata detectorが検知したフォーマット情報に合わせて,再生機を調整する。例えば,Blu-rayの深さ0.1mmの記録層あるいはHD DVDの深さ0.6mmの記録層を読めるように,再生機器のヘッドに備えた対物レンズによるフォーカス機構や青色レーザの出力を調整する。DVDのように赤色レーザが必要なフォーマットの場合には,ヘッドに青色レーザに加えて赤色レーザを追加して,同じ手法を採用する。