映像伝送用の新しいデジタル・インタフェース規格「UDI Revision 1.0a」が策定され,その仕様が公開された(発表資料)。オプションでRGB形式の色階調数を最大各12ビットに高めた36ビット・カラーのフルHD(1920×1080画素,60フレーム/秒)の映像信号を伝送できる。現行のデジタル・インタフェース規格の一つである「HDMI 1.2a」では,RGB形式で24ビット・カラーでしか伝送できない。これで2006年5月に公開された「DisplayPort 1.0」,同年6月に公開された「HDMI 1.3」と,映像機器やパソコンなどに向けた次世代のデジタル・インタフェース規格が出揃ったことになる。UDIは当初,7月下旬の公開予定となっていた。

機器間だけでなく,機器内も


 UDI Revision 1.0aは,DisplayPort 1.0と同じく,機器間と機器内の接続を想定している。機器間の伝送にはHDMIと同じくTMDSを利用しておりHDMIと互換性がある。ただしDVI同様,音声信号は伝送できない。著作権保護機能としてオプションでHDCPを利用できる。信号線1対当たりのベースバンド信号の伝送速度は最大2.7Gビット/秒。これを3対束ねてケーブル1本当たり最大8.1Gビット/秒で伝送できる。TMDSを利用するので,信号線とは別にクロック信号線が1対ある。

 機器内の伝送には,クロック信号をデータ信号に多重する8B/10B符号を利用する。8B/10B符号はIEEE1394やPCI Expressなどで採用されている。機器内伝送でのデータ信号線は1対,もしくは3対である。機器内の伝送では,例えば画像処理LSIとコントローラIC間の映像データを送信することを想定しており,現在はLVDSが使われている場合が多い。

 UDIはパソコン関連企業などが「DVI」の後継を狙い,米Intel Corp.が中心となって策定が進めていたもの。DisplayPortは映像機器に関する米国の標準化団体VESAが(VESAの発表資料),「HDMI 1.3」は東芝やソニーといった民生機器メーカーが中心となって策定した( HDMIの策定企業の発表資料Tech-On!関連記事)。