米Analog Devices Inc.は,中国の地上デジタル放送規格に準拠する,携帯機器向けチューナICの開発を,米Legend Silicon Corp.と共同で進めていることを明らかにした(発表資料)。2006年9月1日~2日に中国の深センで開催されたモバイル・テレビ関連のイベントにおいて,両者で放送受信を実演したという。中国の地上デジタル放送規格は,2006年8月に確定したばかりだが(Tech-On!の関連記事),早くも「対応」をうたうソリューションが姿を現す形となった。

Legend Silicon社と共同で

 Legend Silicon社は同規格のベース技術を提案した清華大学と共同で変復調LSIの開発を進めていた(Tech-On!の関連記事)。Analog Devices社はLegend Silicon社と組むことで,確定したばかりの規格に準拠したソリューションを実演できたとみられる。Legend Silicon社は米カリフォルニア州シリコンバレーのベンチャー企業だが,中国内に拠点をもつほか,米Intel Corp.から出資を受けていることでも注目されている。

 低消費電力型のチューナICをAnalog Devices社が供給し,復調を担うLSIをLegend Silicon社が供給するという。チップセットの発売時期や変調方式の詳細,消費電力の数値などは明らかにしていない。携帯電話機やPDA,携帯型メディア・プレーヤーへの採用を目指している。