ガソリンや軽油の価格高騰やCO2排出による地球温暖化への関心が高まる中,電気自動車に再び注目が集まっている。

 1990年代後半,自動車メーカーが電気自動車の開発を進め,日産自動車から「ハイパーミニ」が市販化されるなど盛り上がりを見せたが,2次電池の性能や部品コストなどに課題があり,普及には至らなかった。

 それから約10年。状況は大きく変わりつつある。富士重工業や三菱自動車などが2010年までに電気自動車を市販化することを表明したほか,自動車メーカー以外からも現行のガソリン車を改造した電気自動車を販売するメーカーが現れ始めた。

 変化の背景には,燃料価格の高騰や消費者の環境意識の高まりはもちろんのこと,2次電池やモータ,インバータなどの性能向上や,ハイブリッド車の生産拡大による部品の低コスト化などがある。

 最新の電気自動車とはどんなものなのか。性能や部品構成など技術的な特徴も見出すべく,試乗可能な電気自動車を取材し,数回にわたって紹介していく。

    連載の目次
  1. 【目次】最新の電気自動車に乗ってきました
  2. 【e-VAN編(1)】走行性能に問題なし,CO2削減で商機?
  3. 【e-VAN編(2)】300℃で保温が必要,でも高性能な2次電池
  4. 【e-VAN編(3)】今後は1人乗りやバスの電気自動車も展開へ
  5. 【R1e編(1)】東京電力が約3000台導入へ,目標価格は300万円
  6. 【R1e編(2)】長寿命で急速充電も可能なNECラミリオンエナジー製の2次電池
  7. 【番外編 新FCX(1)】2008年の市販化目指すホンダの燃料電池車
  8. 【番外編 新FCX(2)】燃料電池は小型化に成功,残るは燃料タンクとインフラ