Mac Proを披露するSteve Jobs氏。
Mac Proを披露するSteve Jobs氏。
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Mac Proの正面の様子。
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内部構成の概要。
内部構成の概要。
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HDDは最大4台格納できる。
HDDは最大4台格納できる。
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メイン・ボードにおける,HDDの格納部分とPCI Expressのソケット周辺部の様子。HDDは,ケーブルを介さずにメイン・ボードに設けたSerial ATAのコネクタに直接接続する構成だ。
メイン・ボードにおける,HDDの格納部分とPCI Expressのソケット周辺部の様子。HDDは,ケーブルを介さずにメイン・ボードに設けたSerial ATAのコネクタに直接接続する構成だ。
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裏面の様子。1Gビット/秒のEthernetを2ポート備える。
裏面の様子。1Gビット/秒のEthernetを2ポート備える。
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 「Intel社製のマイクロプロセサへの移行は完了した」(米Apple Computer, Inc. CEOのSteve Jobs氏)--。

 米Apple Computer, Inc.は,「Power Macシリーズ」として展開してきたハイエンド向けデスクトップ・パソコンの後継機「Mac Pro」を発表した。米Intel Corp.のデュアル・コア型の64ビット・マイクロプロセサ「Xeon 5100シリーズ」(開発コード名:Woodcrest)を2個搭載する。米国サンフランシスコ市で開催中の開発者向けの会議「Worldwide Developers Conference(WWDC) 2006」の基調講演で,Steve Jobs氏は「Mac Proの登場でMacシリーズのすべてがIntel社製のマイクロプロセサを採用したことになる」と強調し,Intel社製のマイクロプロセサに軸足を置くとする同社の姿勢を印象づけた。普及価格帯のデスクトップ・パソコン「iMac」や,ノート・パソコン「MacBook」のマイクロプロセサは既にIntel社製へ移行しており,これで米IBM Corp.のPowerPC系のマイクロプロセサを搭載したApple社のパソコンは市場から姿を消すことになる(発表資料)。

 Apple社はIntel社製のマイクロプロセサに移行する理由として,消費電力1W当たりの性能を高めやすいと述べてきた(Tech-On!の関連記事その1関連記事その2)。今回発表したMac Proにおいても発熱問題の回避や,筐体により多くの部品を格納したり,搭載するファンの数を減らしたりすることにつながったとしている。

4台のHDDを格納


 Mac Proの仕様を具体的に見ると,最大3GHz動作のXeonプロセサを2個搭載しながら,最大4台のハード・ディスク装置(HDD)と2台の光ディスク装置を筐体に格納できる。HDDの容量は最大2Tバイト(1台当たり最大500Gバイト)。PCI Expressのスロット数は4を確保した。プロセサ・バス(FSB)の動作周波数は1.33GHzである。

 Apple社はMac Proの受注をWWWサイトで始めており,即日出荷するという。受注生産(BTO:built to order)方式で提供するため,価格はマイクロプロセサの動作周波数(2GHz,2.66GHz,3GHzから選択),HDDや主記憶の容量,光ディスク装置の品種,周辺機器などによって異なる。標準的な構成例として示した価格は2499米ドル(日本市場では31万9800円)だった。この構成の内容は,2.66GHzで動作するXeonプロセサを2個,1Gバイトの主記憶,米NVIDIA Corp.のグラフィックスLSI「GeForce 7300GT」(ビデオ・メモリ容量は256Mバイト),250GバイトのHDDを1台,16倍速の光ディスク装置(DVD+Rの片面2層媒体/DVD±RW/CD-RWの記録再生に対応)である。

サーバ機もIntel社製マイクロプロセサに移行


 Apple社は同時に,やはりIntel社製マイクロプロセサを採用したサーバ機「Xserve」も発表した(発表資料)。2006年10月から出荷を始める予定。価格は2999ドルとなる。