オランダRoyal Philips Electronics社は,半導体事業を手掛ける子会社のオランダPhilips Semiconductors社の売却に合意したと発表した。Philips Semiconductors社の発行済みの株式のうち80.1%を,投資会社グループに売却する。売却額は34億ユーロ(約43億5600万米ドル)。残り19.9%の株式はPhilips Electronics社が引き続き保有し続けるが,Philips Semiconductors社は独立系の半導体メーカーとして再出発する(発表資料)。

 売却手続きは,2006年第4四半期中に終える予定。「新会社の社名は,しかるべき時期に発表する」(Philips Electronics社)という。新会社のCEOは,Philips Semiconductors社でCEOを務めるFrans van Houten 氏が就任する予定だ。

 Philips Electronics社は2005年12月,Philips Semiconductors社を売却する方針を打ち出していた(2005年12月の発表資料)。売却先として合意したのは,米Kohlberg Kravis Roberts & Co.(KKR)と米Silver Lake Partners社,オランダAlpInvest Partners社の3社で構成した投資会社グループ。KKRとSilver Lake Partners社は,米Agilent Technologies, Inc.の半導体部品部門が米Avago Technologies, Inc.として分離独立した際の売却先などとしても知られている。

 Philips Semiconductors社の2005年の売上高は46億ユーロ(約58億9000万米ドル)だった。従業員数は全世界で3万7000人。移動体通信やデジタル家電,ディスプレイ,非接触ICカード,無線,車載用,有線通信などの半導体製品を手掛けている。

 売却合意を受けて,Philips Electronics社でPresident and CEOを務めるGerard Kleisterlee氏はコメントを発表した。「今回の合意によってPhilips Semiconductors社は,独立系の半導体企業として大きく発展する可能性を獲得する。我々は,ビジネス・パートナーとして今後もPhilips Semiconductors社と強い協力関係を維持し続ける」。