提携会見に臨むNEC代表取締役 執行役員社長の矢野薫氏と松下電器産業 代表取締役社長の大坪文雄氏
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NECと松下電器,パナソニック モバイルコミュニケーションズによる新会社は,開発効率の向上が目的
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共通プラットフォームの範囲を徐々に拡大
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新会社アドコアテックと出資5社の関係
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「2008年,世界市場で20%以上」が目標
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 NECと松下電器産業は,両グループの携帯電話端末事業を再構築する。2006年7月27日,両グループが設立する二つの合弁会社を正式に発表した。

 合弁会社の一つが,NECと松下電器産業,パナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)の3社によるもので,「N(NEC)」と「P(松下電器産業)」の両ブランドの携帯電話機における開発コストの削減を目的とする。携帯電話機のNとPの両ブランドは残したままで,新会社は両ブランドの端末に共通する技術の開発業務を受託する。具体的には,両ブランドが共通に利用するハードウエアやミドルウエア,アプリケーションの統合を進めることになる。このうちOSについては両ブランドが共通に推進するLinuxになる。

 両グループは2001年8月にソフトウエア開発で協業を発表していたが,今回はさらに踏み込んだ形の協業になる。新会社の設立時期は2006年10月上旬だが,社名は未定だ。

 もう一つの発表は,NECと松下電器,PMCのほかにNECエレクトロニクスと米Texas Instruments Inc.の5社による合弁会社「アドコアテック」で,第3世代移動体通信(3G)以降の通信技術の外販を目的とする。NECと松下電器,TI社は,それぞれが保有する通信技術をいったんアドコアテックにライセンスし,アドコアテックは各技術を統合した通信回路の設計情報を,NECエレクトロニクスと松下電器産業 半導体社,TI社にそれぞれライセンスする。ライセンスを受けた3社がLSIに実装,NECとPMCのほか国内外の携帯電話機メーカーに外販するという仕組みである。

 5社の出資総額は120億円で,出資比率はNEC/NECエレクトロニクスと松下電器/PMCがそれぞれ約44%,TI社が約12%となっている。設立は2006年8月中で,2007年秋には最初の開発成果を搭載した製品を出荷できるものと見込んでいる。新会社の目標として「2008年におけるW-CDMA対応通信プラットフォーム外販市場の20%以上」を掲げた。