米Stanford大学で2006年7月25日~27日に開催中のイベント「AO 2006: The Innovation Event@Stanford」で,人気動画配信サイト「YouTube」を運営する米YouTube, Inc. のCEO,Chad Hurley氏は,「米国でインターネットを使って配信される動画の60%は,我々のサイトから発信されたもの。最も大きな競合サービスでも,シェアは10%にとどまる」と語った。同氏が参加した,ユーザーが作成するコンテンツに関するパネルでの発言である。Hurley氏によれば,YouTubeのユーザーは毎日約6万5000本の動画をアップロードし,約1億本の動画を視聴するとした。同氏は,これだけのトラフィックを処理できる,拡張性の高い動画配信用のインフラストラクチャを開発できたことが,同社の成功を支えた大きな理由と主張した。

 現在YouTube社は無料で動画を配信しており,今後どのようなビジネス・モデルを採用するかに注目が集まっている。この点についてHurley氏は,「YouTube社は今のところ利益を得ていない。今後は広告からの収入に頼る予定で,広告を扱えるプラットフォーム技術を開発中」と語った。同社は,YouTubeを米国に限らず全世界にメディア配信サービスを提供するサイトにしていく計画という。テレビ向けに動画配信を始める可能性については,「実現には今後数年かかるだろう」とした。