ドイツInfineon Technologies AGは,3-5GHz,6-9GHzの二つの周波数帯で利用可能なUWB向けのRFトランシーバLSI用IPコアを開発した(発表資料)。二つの周波数帯に対応するのは「業界初」(同社)という。90nmルールのCMOSで製造した。携帯電話機やPDA,音楽プレーヤーなどの各種携帯端末,パソコン,プリンター,各種デジタル家電製品への搭載を想定する。なお,90nmルールのCMOSで3~9GHzと広い帯域に対応するUWB用RFトランシーバLSIを試作した例としては,2006年2月のISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)でNECの報告がある(関連記事)。

 今回のUWB向けRFトランシーバLSI用IPコアは,米WiMedia Allianceの物理層の仕様に基づいており,「Certified WirelessUSBとUWB版Bluetoothのどちらにも利用できる」(同社)という。最大伝送速度は480Mビット/秒。現時点では「CMOSで非常に低消費電力」(同社)というが,現時点では具体的な消費電力を明らかにしていない。

 今後,Infineon社は2007年半ばまでにRF,ベースバンド回路,MAC回路までを1チップに集積したチップをCMOS技術で開発する予定であるという。