横浜ゴムは2006年7月18日,2006年1~3月期に国内全生産事業所が排出した温室効果ガスの量が,基準年比で8%減ったと発表した。この削減量は,京都議定書に定められた日本の削減目標値である6%減よりも多い(図1)。同年4~6月期は10%減を実現しており,通年での削減量も削減目標を上回る見通しだ。

 同社は,2005年2月の京都議定書発効に伴い,2010年までに温室効果ガス排出量を12%以上減らすことを目標に活動している。まず,2005年に各生産事業所の排出量を換算する集計システムを構築。さらに,専門の組織として「地球温暖化対策委員会」を発足させて,削減対策を一元管理している。

 具体的な対策としては,(1)総合効率が85%以上のコージェネレーション・システムの導入 (2)工場の発電に使う燃料の転換 (3)そのほかの省エネルギ活動 ----を実施した。(1)は,既に平塚製造所と三島工場,三重工場に導入したほか,2006年は新城工場にも設置する予定だ。(2)では,重油からガスへの切り替えをさらに推進する。(3)としては,製品の洗浄で使うパーフルオロ・カーボン(PFC)の代替や,トップランナー方式による製品開発などを継続して実行するという。

 なお,横浜ゴムは,エネルギの仕様に起因する二酸化炭素の排出量においても,2005年度実績で4.8%減を実現している(図3)。これは「2010年におけるCO2総排出量を1990年レベルに維持する」という日本ゴム工業会の自主行動計画を前倒ししたことになる。

図1◎国内全生産事業所の温室効果ガス排出量と基準年を100とした指数
図1◎国内全生産事業所の温室効果ガス排出量と基準年を100とした指数
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図2◎年度ごとの温室効果ガス排出量の推移
図2◎年度ごとの温室効果ガス排出量の推移
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図3◎国内全生産事業所のエネルギ起源のCO2排出量と生産量の推移
図3◎国内全生産事業所のエネルギ起源のCO2排出量と生産量の推移
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