第一化学薬品と東芝,東芝ホクト電子の3社は,DNAチップを用いた体外診断薬の共同開発および事業化に関する契約を締結した。東芝が開発する電流検出型のDNAチップと第一化学薬品が保有する体外診断薬のノウハウを組み合わせ,感染症およびがんの遺伝子診断を対象とした体外診断薬の実用化を目指す。

 まず,女性の子宮頸がんの原因である「ヒトパピローマウイルス」の型を判別する体外診断薬の事業化に取り組む。「子宮頸がんは,世界中の女性のがんによる死亡原因の第2位となっているが,早期に発見されれば完治する疾患」(東芝)という。現在,製薬会社がワクチンの開発を進めており,このワクチンの効果を最大限に発揮させるためにウイルスの型の判別に対するニーズが高まっているという。

 DNAチップは,ガラスやSiの基板上に複数種類のDNA分子を固定したもの。試料中のDNAと結合するかどうかを調べることで,試料中に目的のDNAが存在するかどうかを調べられる。今回の契約において,DNAチップおよび測定装置の製造は,東芝ホクト電子が担当する。