図1 外形寸法は95mm×26mm×12mmで,重量は約30g。USBで接続する。
図1 外形寸法は95mm×26mm×12mmで,重量は約30g。USBで接続する。
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 パソコン周辺機器などを企画開発,販売するノバックは,無料通話ソフト「Skype」のビデオ通話機能を組み合わせることで,外出先などから自宅で受信したテレビ放送の番組をリアルタイムで視聴できる,テレビ・チューナ「NV-LF2000」(どこでもTV for Skype)を発売する(ニュース・リリース)。発売日は2006年7月14日で,価格は9800円(図1)。

 利用するには,ビデオ通話に対応した「Skype 2.0」以降が必要となる。必要な手順は以下の通り。本体に,Skypeを利用できるパソコンと,テレビのアンテナを接続する。別のパソコンのSkypeから本体側パソコンのSkypeに通話発信すると,本体側パソコンではSkypeが自動的に応答してテレビ番組を視聴できる。Skypeのアカウントは本体側パソコンと,テレビ番組を視聴するパソコンで別々のものを使う。本体側のパソコンの電源がオフだったり,待機状態になったりしている場合は,Skypeが自動応答できないため,テレビは視聴できない。チャンネルはチャット機能により変更できる。12チャンネルを視聴する場合は「##12#」と入力する。

フレーム速度は最大15フレーム/秒程度

 ノバックによれば,フレーム速度は最大でも15フレーム/秒程度であるという(図2)。映像の画素数はSkypeのビデオ通話仕様に依存しており,QVGA(320×240画素)である。チューナーでは,画像圧縮をしておらず,Skypeのソフトウエア側で行っている。

 今回の製品のように,一度受信したテレビ番組をインターネットを通じて別の機器で視聴する場合に問題となるのが「テレビ番組の再配信に相当するか否か」である。今回の製品は再配信ではなく,あくまで「私的な利用」に当たるとノバックは主張する。というのも,Skypeのビデオ通話機能は1対1でしか利用できないためである。1対1でビデオ通話しているところに,さらにもう1人が接続しようとしても,呼び出し続けるだけでビデオ通話はできない。

 ただし,チューナー用のSkypeアカウントが公開されている場合,誰かが勝手にチューナーを使うことは可能である。こうした場合,チューナー使用者本人が番組を視聴できないこともあり得るため,同社はチューナー用のアカウントは公表せず,あくまで個人的に利用することを推奨している。

 これまでに,自宅で受信したテレビ番組をインターネットを通じて外出先などから視聴するための機器はいくつか発売されている。ソニーの「ロケーションフリー」に対応した機器や(Tech-On!関連記事),米Sling Media, Incの「Slingbox」などである(図3)。Slingboxは,日本では伊藤忠商事が輸入,アイ・オー・データ機器が販売する。発売日は2006年7月8日である。

【追加情報】本文のうちの小見出し以降と,図2,図3が追加情報となっております。

図2 デモンストレーションの様子。某記者の目視によると,7〜10フレーム/秒ではないかとのこと。筆者の感覚的には,実写のドラマだとパラパラ感が気になった。アニメはあまり不自然さを感じなかった。
図2 デモンストレーションの様子。某記者の目視によると,7〜10フレーム/秒ではないかとのこと。筆者の感覚的には,実写のドラマだとパラパラ感が気になった。アニメはあまり不自然さを感じなかった。
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図3 米Sling Media, Incの「Slingbox」。米国では2005年夏に発売された。外形寸法は269mm×102mm×41mmで重さは約354g。
図3 米Sling Media, Incの「Slingbox」。米国では2005年夏に発売された。外形寸法は269mm×102mm×41mmで重さは約354g。
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