インク・カートリッジの再生品における特許権侵害で,セイコーエプソンがエコリカを東京地方裁判所(東京地裁)に提訴していた裁判に関連して,特許庁が訴えの根拠となった特許(特許番号:第3257597号)を2006年5月22日に無効と判断していたことが明らかになった。セイコーエプソンは特許庁の判断を不服として知的財産高等裁判所(知財高裁)に控訴した。

 セイコーエプソンとエコリカの裁判は,2006年1月31日にキヤノンとリサイクル・アシストの係争で知財高裁が示した「第1類型」「第2類型」という基準を,東京地裁がどのように扱うかに注目が集まっていた(Tech-On!関連記事)。しかし,特許の無効が言い渡されたことで,東京地裁はその基準にまで踏み込んで判断しないもよう。

 無効になったのは,インク供給針の外周に接してインクの漏れを防ぐ環状のシール材と,先鋭度の低いインク供給針でも簡単に挿通できるインク取り出し口に接着されたフィルムなどからなる特許である。