米iSuppli社が試算した「HD-A1」のコスト構造
米iSuppli社が試算した「HD-A1」のコスト構造
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 調査会社の米iSuppli Corp.は,東芝が2006年4月に発売した廉価版のHD DVDプレーヤー「HD-A1」について,初期出荷品が大幅にコスト割れしているとの見積もりを発表した(Tech-On!関連記事)。小売価格が499米ドルであるのに対し,総コストは700米ドル以上にのぼるという。「このようなコスト割れは,今まではゲーム機や携帯電話機以外ではあまり見られなかった。後続製品で遅れを取り戻したいのだろうが,この価格設定は財務リスクという面では疑問の余地がある」(iSuppli社のアナリスト)。

 iSuppli社によれば,HD-A1は「パソコンの下位機種とDVDプレーヤーの上位機種を組み合わせた設計」という。同社が見積もった総コストのうち,部品コストは674米ドル。メイン・プロセサには米Intel Corp.の「Pentium 4」を,HDTV映像の復号化LSIに米Broadcom Corp.の「BCM7411」を,音声処理DSPに米Analog Devices,Inc.の「ADSP-2126x SHARC」を4つ使用する。これらのLSIの部品コストが137米ドルになる。さらに,メモリ・モジュールのコストが125米ドルほどかかる。内訳は,DIMM形式の1GバイトDRAMモジュールが1つと,それ以外にDRAMチップが3個,256Mバイトと32Mバイトのフラッシュ・メモリがそれぞれ1つである。

<お詫びと訂正> HD-A1のメモリの構成として当初は「1GバイトのDRAMが3つ」としていましたが,この部分は正しくは「DIMM形式の1GバイトDRAMモジュールが1つと,それ以外にDRAMチップが3個」でした。お詫びして訂正します。