松下電器産業は,再生専用Blu-ray Disc(BD-ROM)に収めるコンテンツを対象としたオーサリング・サービスを日本と米国で開始する。同サービスは,米国ロサンゼルスにあるPanasonic Hollywood Laboratories(PHL)の設備内で2006年7月から開始する。2006年8月からは,東京でもサービスを始める予定。「コンテンツを持つパートナー企業からの要求に応えるため」(松下電器)にこうしたサービスを用意したという。

 米国で松下電器は,2006年9月にBD-ROM対応のプレーヤーを発売する予定である(Tech-On!の関連記事)。同社によると今回のオーサリング・サービスは,特に年末商戦に向けたコンテンツの作成を想定したものという。

 松下電器のBD-ROM向けのオーサリング・サービスには,主に二つの特徴があるという。まず第1に,ビデオ・コンテンツをMPEG-4 AVC/H.264に符号化する際に,同社が開発した専用LSIを用いる点。第2に,BD-ROMのメニューなどを作成する際に,Javaを使った独自開発のオーサリング・システムを利用する点である。

 中でも松下電器は,専用LSIによるH.264の符号化技術を強調する。「我々はH.264を使って符号化した映像の画質にこだわった。他社がMPEG-2を使って作成したBD-ROMやHD DVDのコンテンツに比べて,誰の目から見ても画質が高い。Blu-ray Discを普及させるには,こうした高い画質が不可欠」(松下電器)。

 松下電器が米国内に持つ設備では,ひと月に約10本のペースでBD-ROMコンテンツを作成できるという。ただ,東京でサービスを始める予定の設備については,現在のところ作成能力は公開されていない。