日本HPが「第3世代」のブレードサーバ,最高2万rpmの空冷ファンを装備
日本ヒューレット・パッカードは「HP BladeSystem c-Class」を発表した。2006年8月上旬から,順次出荷を開始する。
いわゆるデータセンターなどで用いるサーバ機としては,ラックに収めやすい筐体になっているラックマウント型サーバが依然として主流である。しかしこのところ,マイクロプロセサや主記憶,メイン・ボード,ハード・ディスク装置(HDD)などを薄くて細長い「刃身(ブレード)」のような形をしたフレームに収め,それを3〜7U(1Uは約4.4cm)程度のエンクロージャに数多く挿入できるタイプの「ブレードサーバ」が次第にそのシェアを高めている。
今回のものは「第3世代」
ブレードサーバは2000年ころに登場したが,当初の「第1世代機」はとにかく多くの台数を所定の体積内に詰め込むことを主眼としたもので,マイクロプロセサの性能も低いものが多かった。これに続いて2003年ころには「第2世代機」が登場した。ラックマウント型などと変わらないクラスのマイクロプロセサを搭載した本格的な,性能重視のタイプになり,いわゆるサーバ集約(コンソリデーション)などの目的での採用を徐々に拡大していった。
これらに対して,日本HPは今回発表したものを「第3世代機」と呼ぶ。従来に比べてストレージ・システムやネットワーク・スイッチなどもエンクロージャ内に格納できるようになり(システム集約が可能),さらにこうしたサブシステムとの入出力をエンクロージャ内で仮想化して保守を簡便にしたのが第2世代との違いだという。仮想化は「HP バーチャルコネクト」と呼ぶ技術で行う。例えば,エンクロージャ内でブレードサーバの移設や増設をした場合でも,MACアドレスやSAN(storage area network)のWWN(world wide name)などの変更をエンクロージャ内で自動的に吸収できる。サーバ管理者は,ネットワーク管理者やストレージ・システムの管理者といちいち協議しなくても,サーバの移設や増設が簡単に行えるとする。
今回発表したのは,4製品である。2006年8月上旬に出荷を開始する,エンクロージャの「HP BladeSystem c-Class c7000」(63万円から)と,同9月上旬に出荷する,米Intel Corp.のデュアルコア・プロセサ「Xeon 5000」シリーズを搭載するサーバ機「HP ProLiant BL460c」および「同480c」(それぞれ45万1500円,67万2000円),そしてラック全体を水冷するための「HP モジュラー クーリング システム」(399万円)である。
熱との戦いに力を注ぐ
多くのハードウエアを高密度にラック内に集約するとなると,問題になるのが「熱」である。同社は今回,3つの方策を施した。(1)新たな空冷ファンの開発,(2)複数の電源ユニットの一部を電力の需要量に応じて自動的に停止・再起動する仕組みの導入,(3)ラックの発熱量やエンクロージャに流入する空気の温度などを統一的に把握するための監視ツールの整備,である。
このうち(1)の新たな空冷ファンの開発には,日本HPとして特に力を入れたところのようだ。今回,2年をかけてHP社が独自に設計し,モータ・メーカーと共同開発した。20件の特許を出願中という。
このファンは,最大2万rpmときわめて高い回転数で動作する(通常時は5000rpm〜7000rpm)。現在,市販されている空冷ファンとしては「我々が調べた範囲では,最大1万1000rpmのものがあるくらい」(日本HP)。冷却性能として具体的な風量などは公開していないが「1台で4つの1Uサーバを冷却できる」とする。しかも寿命は同一冷却性能のファンと比べて4倍長いという。
これを実現するために当初,HP社は空冷ファン・メーカー各社に声をかけてみたところ「そうした仕様の実現は無理」と断られたという。そこでイチからの開発を決心した。同空冷ファンは,動翼1段と静翼1段を備える本格的なものである。羽根形状も内周側と外周側でかなりひねってあり,高速回転時の周速の違いを考慮してあるようだ。軸受も通常のものとは違うというが,詳細は明かせないとした。さらに流路形状の工夫などによって,消費電力を減らしながら上述のような仕様を達成できたという。
この細身のファンを,1つのエンクロージャ当たり10個搭載する。従来は大型ファンを中心部などに2つほど取り付けるといったことをしていたので,エンクロージャ内で場所によって冷却が十分なところと熱がこもるところが生じてしまっていた。












